こんにちは。
アラフィフ主婦のとらこです。
「結婚する時に親に作ってもらった喪服の着物が今でもタンスで眠っている。」
「喪服を片付けたいけどもったいなくて踏ん切りがつかない。」
そんな人に聞いて欲しいことがあります。
私は半年前、手持ちの着物を処分しよう!と一年発起してリサイクルショップに持っていきましたが
「喪服はお取扱いできません」
と言われ仕方なく喪服を持ち帰ってきました。
他の着物は処分できたのに喪服は手元に残り、またタンスの中に。
しかし、思い切って処分しました。今日!
半年間ぐずぐずと喪服を処分しきれずにいた私がどうして処分に踏み切れたのか。
そのきっかけになったのは1冊の本でした。
この記事では喪服の処分を決断させてくれた本と、どう考えて処分を決心したのかを紹介します。
喪服処分を決断させた本:勝間和代著『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る!勝間式ネオ・ライフハック100』
私に喪服処分の決断をさせてくれた本は勝間和代著『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る!勝間式ネオ・ライフハック100』です。
勝間氏の生活の知恵がぎゅっと詰まったこの本の、Chapter7《片付け・料理ハック!》の章に書いてあった保有効果という心理現象を知り、自分が喪服を処分できなかった理由がわかったのです。

保有効果という心理現象を知る
保有効果とは、持っているものを手放すことによって損をしたくないから、自分の持っているものの価値を高く見てしまう心理現象です。
保有効果というのは、私たちが自分の持っているものに対して、なぜか実際の価値より高い価値を感じる心理現象のことです。そのために、今持っているものを手放したり、今の環境を変えたりすることに躊躇してしまうわけです。
圧倒的に自由で快適な未来が手に入る!勝間式ネオ・ライフハック100 勝間和代
この文章を読んだときに、私が喪服を手放せなかったのはこのせいだと気付きました。
自分の喪服に対して世間の評価以上に高い価値を感じていたのです。
私が感じていた価値とは
①まだ着る機会はまだ何回かあるからとっておく価値がある。
②家紋が入っているから価値がある。
これが大きな勘違いでした。
勘違いその① 着る機会はまだ何回かあるからとっておく価値はあると思っていた。
黒い喪服を着る機会を考えてみます。
お葬式ですね。
それも、最近では着物の喪服を着るのは身内のお葬式の時だけ。
着物の喪服は正装とされ、一般にお葬式の時に着られるのは亡くなった方の身内2親等程度までとされています。
実際にこの2年で身内のお葬式を2度経験して知ったことですが、
亡くなった方の身内2親等以降の人は1親等の人より格が上の正装をしないと言う暗黙のルールがありました。

私が2年前に自分の母親を見送った時、実の娘の私が着物の喪服を着ない場合、弟のお嫁さんは着物の喪服を着るべきでは無いと言われました。
逆を言えば、私が喪服を着ればお嫁さんは着ても良かったという事です。
また、去年夫の父親が亡くなった時、喪主を務めた夫の妻である私が喪服を着ないのなら、義母と義妹は喪服を着るべきでは無いんじゃないか とちょっともめました。
私は着物を着たくなくて、義母と義妹は着物の喪服を着たかったのです。
一旦は、2人は亡くなった義父にとっては 私より近いのだからと、正装の着物の喪服を着ることにしました。
ところが、通夜やお葬式の準備で疲れてしまった2人は、葬儀当日に着付けの予約をキャンセルして洋装の喪服に落ち着き、着物の喪服は着ませんでした。
ただでさえ気持ちも体力も消耗するお葬式の場で、着物を着ることは難儀です。
着付けに時間がかかるし、普段気慣れていないから動きにくいしで、私には格式以外に着るメリットが分かりません。
もし私が着物の喪服を着る機会があるとしたら、後2回(自分の父親と夫の母親の時)。
ひょっとして兄弟?…親族間の立場を考えて着物を着る着ないでもめるのは嫌なので、着物じゃない方が無難だと思います。
夫?…考えたくは無いけど…それどころじゃ無いと思うので着物は着ないと思います。
多分 着る機会があるかもしれない親の時2回も、よほど盛大なお葬式でない限り私は着ないだろうと思います。
(盛大なお葬式より家族葬にしたいと思ってます。)
実は、もう1つ大きな勘違いをしていたんだ!
私のもう一つ大きな勘違い、それは
『子どもの結婚式で着られるかも』と思っていたのです。黒い着物として。
結婚式に和装で出席する時は「黒留袖」ですね。
新郎新婦の親や、仲人さんが着るのは黒い着物と言うイメージしか無く、喪服と兼用だと思っていたのです。
黒留袖には裾に柄が入ってますね。
勘違いに気が付いて良かったです。
私は黒留袖は持っていません。
万が一黒留袖を着る機会があればレンタルで済ませようと思います。
結局のところ、私にはこの先も着物の喪服を着る機会は無いでしょう。
勘違いその② 家紋が入っているから価値があると思っていた。
親が私に着物の喪服をあつらえてくれたのは社会人になった年だったと思います。
花嫁修業としてお茶・お花・着付けぐらいは習っておきなさいと言われてた頃です。
その時に初めて家紋の存在を知りました。
もしかしたらお墓などで目にしていたのかもしれないけど、家紋があるのは由緒正しい家系だけだと思っていたので、自分の家にも家紋があるのに驚いた記憶があります。
地域によって違うようですが 実家付近では娘は父方の家の家紋を引き継ぎます。
それに倣えば 私の娘に家紋入りの着物をあつらえる時は夫の実家の家紋を入れる事になるので、私の着物は娘に譲れないということになります。
それに、私は着物に家紋が入っているのって、とても格が上がる事だと思ってました。
実際に着物を着る場面では、やはり家紋入りは格上とされています。
でも、リサイクルショップでは引き取ってもらえなかったし、喪服を取扱うリサイクルショップでも家紋が入っているものは引き取ってもらえない事があるらしいのです。
家紋入りは個人にとっては価値があってもリサイクル市場では価値の下がるポイントだったんですね。
家紋が入っているのって、学校のジャージに校名と個人名が刺繍されているのと同じ感覚?
限られた場所でしか着られないってことかな。
保有効果という言葉を知ってやっと喪服を捨てられた。
喪服はゴミに出しました。
自分の持っている着物に高い価値を感じているのは自分だけなんだと気が付き、やっと喪服を処分する決断ができました。
そもそもリサイクルショップで引き取れませんって言われた時に、市場価値の無さに気付いて処分すれば良かったんだよ。
喪服の処分にはネットオークションやフリマサイトで売るという方法もあるのですが、潔くゴミに出しました。
写真を撮ったり詳細を登録したりと言う手間、売れた時の梱包・発送の手間を考えたら、ゴミに出すのが一番早くスッキリします。
実際より高い価値を感じていた他の物も処分
断捨離って気分が乗った時にパパっと進めたいですよね。
喪服を処分してスッキリしたついでに 食器棚の中で場所を取っていたワイングラスと用途不明な器、お土産に頂いたベネチアングラスも片付けました。
どれも手に入れてから数回しか使っていなくて、この先も使う機会は殆どないだろうって物です。
自分の持物の価値を高く感じる保有効果という心理現象を知ったおかげで、この先の断捨離もはかどりそうです。
保有効果ー持っているものを手放すことによって損をしたくないから、自分の持っているものの価値を高く見てしまう心理現象ーを知って自分が喪服の価値を高く評価している事に気が付きました。
おかげで着物の喪服はこの先私には必要ないと判断できて、喪服を処分することができました。
喪服を片付けたので次は『和ダンスの処分』です。
和箪笥の処分については下記の別記事で書きました。
合わせて読んでいただけると嬉しいです。
