いつかは迎えるだろうと漠然と考えていた親の介護。
私の親の場合もいよいよ現実味を帯びてきました。
同時に頭をよぎる実家の片付けや相続のこと…。
できたら早めに対策しておきたいのだけど、具体的に何をする?
いざ、向き合ってみると何から手を付けて良いのか分からない!
「でも、もう先延ばしにはできない!」と意を決して取り組み始めたのですが、分からないことばかりで、自分の思うスピードでは進んでいかないです。
この記事では、実家でひとり暮らしの親の介護問題に直面した筆者が、実家の片付けや介護など親の終活についてどこから手をつけるべきかをまとめてみました。
介護や相続はケースバイケースだと思いますが、我が家の場合を一例として紹介します。
これから親の終活に関わることになる人の参考になれば嬉しいです。
実家の片付けやら介護やら…どこから手をつける?
親の年金受給額、資産状況を知っておく
結論から言うと、介護費用の算段から手をつけるべきです。
そのためには、
①親の年金受給額を知っておく
②親の資産状況を知っておく
この2点が大事になってきます。
介護と相続まではひと続き
私の親は自分で終活を一切しないまま暮らしてきました。
私もなんとなくは気にしていたけど、時が来たら「親が自分で何か行動するだろう」とのんきにかまえていました。
(87才)
そのうちやるから。
それよりも、きっと私が一番にぶつかる問題が親の介護で、『介護→親の死→相続』といった具合に、ひとつひとつ片付けていけば良いものと思っていたのです。
でも、実際に親が高齢になって実感することは、親の行動力、判断力は目に見えて衰えていくということ。
親自身が自分で終活として実家を片付けることはできなさそう。
今までやらなかったんだから、この先も絶対やらないよ。
これはもう、「実家の片付けは子どもの私がやらないと…」と思っていたら、既に介護について考えなきゃいけないところまで来ていました。
(私の行動力も衰えてます!)
現実に介護に直面した今、「もっと早く、先の相続までも考えて対策を立てるべきだったな。」と遅ればせながら気がつきました。
介護が必要のない状態が続けばそれに越したことは無いのですが、介護と相続まではひと続きで考えた方が良さそうです。
兄弟の中で誰か実家を相続するとか、親と同居するとか、それによって対策方法も変わってきます。
我が家の場合、兄弟の意思を確認したら、誰も実家の相続を希望しないって分かったから、実家は売却する方向になりそうだよ。
介護費用をどこから出すかを考えた時、実家を売却するかしないかで介護に使える費用や、相続時の遺産分割の方法も変わってきます。
特に、老人ホームなどの施設に入居を考える場合、それ相応の費用がかかるんですね。
しかも、親があと何年生存しているかが分からない。
生存期間が長くなればなるほど、介護費用が多く必要になってきます。
親に最後まで快適に暮らして欲しいと考えると、まず親の生活費や介護費用をどこからだすか、どれくらい使えるかを考えることが現実的です。
介護費用は親の資産から出せるのかを検討する
介護費用を見積もってみる
例えばですが、一番費用がかかりそうな高齢者向け施設の利用を考えてみます。
高齢者向け施設って、7種類もあるんですね。
高齢者向け施設って、種類がありすぎて訳がわからなかったよ。
7種類の違いは、運営団体が公共なのか民間なのかと、そのサービスの種類によります。

利用料は要介護度やサービスによって変わってくるし、住んでいる地域でも相場が変わってきます。
民間企業の運営する老人ホームは高くて、入居金だけでウン千万円、月々の利用料がウン十万円なんてところもあるくらい。
我が家の場合はこちらは選択肢から外れます。
一番安いところは公共団体が運営する特別養護老人ホーム、一般に「特養」と呼ばれる施設です。
特養なら、介護保険を使えれば月々の利用料は親の受給する年金の範囲内ですみそうです。
でも、特養は人気があるので入居待ちの間は他の施設を利用することも想定しておきたい。
施設によっては入居金もいるだろうし、実家の維持費や固定資産税、それ以外にも何かとお金は必要になってきます。
施設入居を想定した時、親が実際にどれだけの年金を受給できているか分かれば、利用できる施設のめどが立ちますね。
親の資産(預貯金)はあてになる?
高齢者向け施設の月々の利用料は親の年金受給額以内で考えるとして。
それ以外にも親の日用生活品、医療費、それに実家の固定資産税は毎年必要だし、維持するのにも火災保険などの費用がかかる。
子どもに経済的余裕があれば問題ありませんが、親の預貯金を親が管理できなくなった時、子どもが管理できるようにしておく必要があります。
金融機関は、「名義人(親)に判断能力がなくなった」とわかった場合に口座凍結する場合があります。
そうなると、そこに現金があっても使えないってことになりかねません。
親の判断能力がなくなった場合の対策も考えておきたいです。
**親の判断能力がなくなった場合の対策**
親の判断能力がある間にできる対策としては、遺言状、生前贈与、家族信託、任意後見制度などがあります。
親の判断能力がなくなった後には成人後見制度があります。
親が住まなくなった実家をどうする?
もし、親の預貯金額が少なくて、介護費用が不足しそうな場合には「実家を売却すれば大丈夫」と安易に思っていました。
それに、空き家にしておくとリスクがあります。

こちらも預貯金と同様、親の判断能力がなくなってしまった場合、諸々の手続きができなくなるので、相続時までどうする事もできなくなってしまいます。
そんなことも考えると、親が元気なうちに兄弟も含めて相続のことまで話し合っておきたいですね。
そもそも、実家は売れるの?
介護費用捻出のため、実家の売却が必要だとして、実家の資産価値が高くて即売れそうな物件なら心配はいらないです。
でも、売れなさそうな実家の場合はどうなるのでしょうか?
実家の大まかな資産価値が分かる「固定資産税・都市計画税 納税通知書」を見てびっくり!
田舎なのでそこまで高くはないだろうと思ってたけど、想像以上に安かった!
私の実家があるのは、田舎の良さが感じられるような「のどかな田舎」でもなく、バスも通っていない不便な場所です。
古くなって高齢化している山を開拓した団地で、最近は空き家も目立ってきました。
実家の建物自体も築年数が古くてボロボロです。
「古民家」というほどの古さや趣もなく、大量の物であふれかえって半分ゴミ屋敷のような佇まい。
庭木は選定もされず伸び放題、父が手入れをしなくなってからは雑草も伸び放題です。
この土地を売ろうと思ったら、まず建物や庭木を撤去して更地にしないと売れなさそうです。
いや、それより前に大量の物の処分をしなければ…。
物の処分、建物の撤去、整地…と、その作業量を思うと気が遠くなるよ。
時間もかかるだろうな。
時間をかけて更地にしたとして、立地条件的に売れるのか?
売れなかった場合は建物があった時よりも高い固定資産税を払い続けることになる。
土地さえあればなんとかなるという土地神話は今はもう通用しないことをヒシヒシと感じています。
周囲にも、親から家土地を相続したばかりにその処分に悩んでいる知人もいるくらいです。
実家の処分については不安しかないよ。
実家の片付けはどこから手をつける?まとめ
実家の片付けを含め、子どもができる親の終活の第一歩は、この先のことを考えるところからです。
ゴールが見えていれば計画も立てやすい。
介護に必要になりそうな費用をざっと見積もって、介護費用をどこから出すかを算段しておけば、いざ介護が必要になった時に慌てないで対応できます。
親の受給している年金額と、親の資産額が分かっているとプランが立てやすくなります。
介護や実家の片付け・相続のことも含め、親、兄弟と話し合っておきたいですね。