こんにちは。アラフィフ主婦のとらこです。
今年のお正月は初詣に出かけられましたか?
普段は信仰を意識して無いけれど、神社の鳥居をくぐると神聖な気持ちにもなったりします。
信仰や宗教って文化の根っこの部分で大きく生活に関わってますよね。
私は神棚も仏間も無い家で育ちましたが、日本の八百万の神様にはなんとなく親近感を感じています。
普段の生活で意識しなくても、昔からの習慣の中に神様の存在って感じます。
今ひとつ理解できないのがキリスト教。
キリスト教のことを理解できたら世の中のいろんなことがもっとわかりやすくなる気がして、手にとった一冊の本『ふしぎなキリスト教』橋爪大三郎×大澤真幸 著(講談社現代新書)
とても分かりやすく面白かったので、キリスト教文化に興味のある方におすすめしたいです。
不思議なキリスト教 橋爪大三郎×大澤真幸
この本、著者名が2人になっています。
大澤真幸さん、橋爪大三郎さん ともに日本の社会学者です。
この本では社会学者のお2人の対談という形で、大澤真幸さんが質問者となり、橋爪大三郎さんがそれに答えてキリスト教の謎について解説されています。
対談形式なので文章も話し口調、読みやすく、とってもわかりやすいです。
中身は下記のような3部構成。
第1部 一神教を理解する―起源としてのユダヤ教
第2部 イエス・キリストとは何か
第3部 いかに「西洋」をつくったか
一番基本的な一神教についてから始まるので 順をおってキリスト教がわかってきます。
下記の引用は『ふしぎなキリスト教』のセールスコピー、これを読むだけでもこの本が読みたくなりませんか?
キリスト教がわからないと、現代社会もわからない――。
イエスは神なのか、人なのか。
GODと日本人の神様は何が違うか?
どうして現代世界はキリスト教由来の文明がスタンダードになっているのか?
知っているつもりがじつは謎だらけ……
日本を代表する二人の社会学者が徹底対論!
amazon.co.jpより引用
日本ではクリスマスもハロウィーンもお祝いされるようになって、キリスト教がすっかり浸透している気がします。
でも、みんな何をお祝いしているんだろう?
ゴスペルや讃美歌を聞くのは好きだけど、何を歌っているの?
キリスト教への興味の片鱗は、日常のあちこちに落ちています。
聖書を読めばキリスト教が理解できるのかな?と、何回か聖書を手にしたことがあります。
でも、何が書いてあるのかさっぱり分からなくて、数ページで挫折。
預言者?福音書?原罪?裏切り?復活?旧約聖書、新約聖書?
そもそも、一神教と多神教の違いって何だろう?
神様がたくさんいるのがふつうな日本人には一神教…神様が1人しかいない感覚がピンとこない。
この本の中での橋爪さんの答えによると、日本人は神様は人間みたいなものだから大勢いた方がいいと考え、その付き合いの根本は仲良くすること。
一方、一神教 のGod(神)は人間ではない。
全知全能で絶対的な存在。
怒らせてはいけない存在なのでGodに従う(=信じる)、決して人間と対等だなんて思ってはいけないのです。
日本の、人間と神様が共存する考え方が平和に感じますね。
神様に対する根本的な考え方の違いが分かっただけでも納得できることは多いです。
映画やドラマに出てくる教会での懺悔シーン、何かをものすごく恐れている雰囲気がしてたのは、神が恐ろしい存在だからなんですね。
日本の、仏教や神道には無い感覚だと思います。
他にもキリスト教の不思議を根本の部分から分かりやすく解説してくれるのが『ふしぎなキリスト教』です。
キリスト教が分かればいろんなことが理解できるかも?
私、『ふしぎなキリスト教』を読む前は、イースターが復活祭なのは知っているけど、何が復活したの?っていうレベルでした。
キリスト教が理解出来たらもっと世の中のことがわかるようになるんじゃないかと思います。
どんなことがわかるようになるのか私なりに考えてみました。
西洋絵画を理解できるようになる
ヨーロッパを旅行すると教会の壁には立派な宗教画が描かれています。
美術館で観る16世紀、17世紀ころまでのヨーロッパの絵画は宗教画がほとんどです。
そういった宗教画は字の読み書きができない庶民のために聖書の内容を描いたもの。
聖書の中身が理解できていれば、宗教画に描かれているモチーフや人物の意味も解り、より深く鑑賞できるのかな と思います。
洋画が楽しめる
映画、少し古くなりますが、トム・ハンクス主演のミステリー映画『ダ・ヴィンチ・コード』。
事件の背後に聖書をめぐる確執があり、ストーリーの重要な部分はキリスト教の歴史が分かっていないと理解ができず、もどかしく感じながら観ました。
他にも洋画を見ていると、キリスト教の習慣や、独特のものの考え方、日本人には理解できないことって意外とありますよね?
キリスト教がわかっていればもっと楽しく観られると思います。
読書も楽しめる
本も映画と同じで、海外小説にはキリスト教文化の背景があっての作品、多いと思います。
前述した『 ダ・ヴィンチ・コード 』もダン・ブラウンの同名小説が原作です。
海外小説だけではなく、国内の漫画『聖☆おにいさん』(中村光著)もキリスト教のことがわかればもっと面白いのに…と思った本です。
休暇中の仏陀とキリストが過ごす日常をゆるーく描いた漫画で、TVドラマや映画にもなりました。
この漫画は、そこまで深くキリスト教を理解していなくても面白く読めますが、読むと聖書の中身が気になります。
キリスト教を理解したうえでもう一度読み直したいです。
個人的にこの漫画が単純に好きなだけですが…。
聖書を読む前に読んでおきたい『ふしぎなキリスト教』
根本的なところからキリスト教の謎を解明してくれる『ふしぎなキリスト教』。
聖書を読む前に読んでおけば、聖書もより分かりやすくなるのかな と思います。
でも、私は何度も聖書を手にしては挫折してます。
キリスト教の信者は皆さん聖書を読んで理解しているの?
理解できない私の頭はできが悪いの?と不安になってましたが、この本の中では「聖書の分かりにくさ」も解説してあって、気持ちが楽になりました。
やっぱりわかりにくいんだ…。
言われてみれば 日本人でも般若心経の意味とか 読んだだけでは解らないですものね。
もし、これからキリスト教とその文化について知りたい方は、聖書を読む前に『ふしぎなキリスト教』を読むことをおすすめします。
大人の教養としても、読んでおいて損は無い一冊です。